「バーチャルオフィスで登記したけど、法人口座が開設できない」「金融機関の審査で断られた」という声を耳にしたことはありませんか?
バーチャルオフィスの便利さが注目される一方で、口座開設に苦労するケースが増えています。
この記事では、なぜ審査に落ちるのか、成功率を上げるための準備や信頼性を高める工夫について具体的に解説します。
バーチャルオフィスでの法人口座開設の現状
バーチャルオフィスを利用していても、法人口座を開設することは可能です。
ただし、金融機関によってはバーチャルオフィスの住所を利用した法人口座開設を断っていたり、口座開設に対して消極的なスタンスだったりするケースがあります。
そのため、このような金融機関を選んでしまうと、一生懸命に下準備をしたとしても法人口座は開設できません。
また、バーチャルオフィスという理由だけで法人口座開設を断られた銀行もあります。
バーチャルオフィスだと問答無用で開設不可になるそうです。
一昔前と比べるとバーチャルオフィスの認知度はかなり上がりましたが、法人口座開設においては極めて心証が悪いというのが実情のようです。
バーチャルオフィス利用時の口座開設が難しい理由
口座を悪用した投資勧誘詐欺や、マネーロンダリングなどの犯罪行為を抑制するため、法人口座の開設にはどの金融機関でも厳しい審査が行われます。
特に、違法な手段で入手したお金をきれいにする「マネーロンダリング」は、架空の法人や商取引を装い、特定されるリスクを減らそうと、法人口座が悪用されやすいです。
金融機関は、金融庁「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」をもとに、厳重かつ慎重に審査を行っています。
実在する法人であることを証明する書類の提出や、事業目的や所在地が必要になるのはそのためです。
バーチャルオフィスは、コストを抑えつつスムーズに住所を取得できるメリットもありますが、その反面、不正に利用されやすい側面もあります。
働き方の多様化により利用者が増えているバーチャルオフィスですが、不正防止の観点から、多くの金融機関が法人口座開設に慎重になっているのです。
バーチャルオフィスで法人口座開設のポイント
- 事業実態の明確化
- 既存の取引実績
- 必要書類の準備と整備
- 固定電話番号の取得
- ホームページの整備
- 事業計画書の提出
事業実態の明確化
銀行が申請者の事業実態を重視するため、事業概要書やサービス内容、製品情報を含む具体的な資料を準備することが重要です。
また、販売契約書や請求書などの証拠書類を提出し、実際の営業活動を示すことで、金融機関に健全で実態のある事業と認識させることが求められます。
既存の取引実績
過去の取引実績が事業の信頼性を高める重要な要素です。
取引の請求書や領収書、取引先リストを準備し、個人事業主としての活動実績がある場合は、それを示す資料を活用することで、事業の継続性と安定性をアピールすることが求められます。
必要書類の準備と整備
必要書類が整っていることが基本条件です。
定款のコピー、法人登記簿謄本、代表者の身分証明書、事業概要書や事業計画書、印鑑証明書などを準備し、最新の情報に基づいて不備がないか事前に確認することが重要です。
また、金融機関が追加書類を求める場合に備え、柔軟に対応できる準備をしておきましょう。
固定電話番号の取得
事業の信頼性を示すために固定電話番号が重要視されます。
固定電話番号を取得し、法人名義で登録することで、携帯電話番号よりも高い信頼性を与えられます。
また、バーチャルオフィスが提供する電話番号を利用する場合は、転送サービスの活用も検討し、審査に有利な印象を与えましょう。
ホームページの整備
事業の信頼性と実在性を示すためには、ホームページの有無や内容が重要です。
自社のドメインで公式サイトを作成し、事業内容や所在地、連絡先、商品・サービス情報を明確に記載しましょう。
また、実績や顧客の声を掲載して信頼性を向上させることが効果的です。
これにより、金融機関がインターネット上で事業の実態を確認しやすくなります。
事業計画書の提出
事業計画書は、銀行が事業の健全性と将来性を判断するための重要な資料です。
具体的には、事業の目的やビジョン、市場分析や競合他社との差別化、収益計画や資金繰りの見通し、資金調達の計画と使用用途を明確に記載することが必要です。
この計画書を通じて、銀行に事業が安定しており、将来的な成長が期待できると納得させることが目的です。
法人口座開設に強いバーチャルオフィスの選び方
- 法人口座の紹介制度があるオフィスを選ぶ
- 法人口座の開設実績があるオフィスを選ぶ
- 懸念事項がなく、事業にふさわしい住所を選ぶ
- 提供サービスが充実しているオフィスを選ぶ
法人口座の紹介制度があるオフィスを選ぶ
一部のバーチャルオフィスでは、みずほ銀行やGMOあおぞらネット銀行など特定の銀行と連携し、法人口座開設を支援する紹介制度を提供しています。
これにより、銀行との信頼関係を活用して申請手続きがスムーズに進む可能性が高まります。
ただし、紹介制度があっても審査が緩和されるわけではないため、事業の信頼性を示す資料や必要書類を整備することが不可欠です。
法人口座の開設実績があるオフィスを選ぶ
法人口座開設の成功率を高めるには、実績のあるバーチャルオフィスを選ぶことが重要です。
公式サイトで開設実績が記載されているか確認し、記載がない場合は利用者の口コミやレビューを参考にしましょう。
実績が豊富なオフィスは銀行からの信頼も高く、審査が通りやすい場合が多いです。
懸念事項がなく、事業にふさわしい住所を選ぶ
法人口座開設では、提供される住所が事業に適しており、過去に問題がないことが重要です。
住所の信頼性を確認するため、インターネットで過去の犯罪履歴を調査し、丸の内や銀座など知名度の高い一等地やビジネス街の住所を選ぶとよいでしょう。
不適切な建物やへんぴな場所の住所は、銀行審査で警戒される可能性があるため避けることが重要です。
提供サービスが充実しているオフィスを選ぶ
法人口座開設や事業運営をスムーズに進めるためには、登記や口座開設をサポートする充実したサービスを提供するバーチャルオフィスを選ぶことが重要です。
固定電話の貸出(IP電話やフリーダイヤル含む)は、銀行審査に必須の場合があるため便利です。
また、設立登記サポートは初めての法人設立時に役立ち、郵便物やFAXの転送サービスは書類のやり取りを効率化します。
自社のニーズに合ったサービスが含まれているか、さらにコストパフォーマンスも考慮して選ぶことがポイントです。